日本の文化
◎「スワモンショウ」代表 諏訪文久さん プロフィール
創業65年、今治の地場産業である「今治タオル」、
日本の伝統文化である「いぐさの織物(はなござ・畳)・畳縁」など
ジャカード織の織柄作成を行う「スワモンショウ」代表。
文久さんの祖父の代に西陣の優秀な織元だった諏訪家は
紋工業の近代化と技術向上のための指導者として愛媛県に招聘され、
今治に紋匠師の工房(諏訪意匠紋工所)を立ち上げる。
文久さんも京都に学び、父のもと20年以上の修行をつみ、
西陣織の要素をタオル・花ござの世界に取り入れることで、
新しい織物の世界を創造しつづけている。
「スワモンショウ」さんURL: https://www.suwamonsho.com/
7)諏訪さんがこれからの“和の心”に望むこと、
“和の心”の未来の可能性についてお聞かせいただけますか?
これまでの経験で、日本のモノづくりの文化は世界にむけて、
世界の人がうらやむものではないか、もっと世界に出ていけると思っています。
ただ、いぐさの業界はアピール力が足りません。
特に若い人にとってはいぐさって何?になってしまっています。
畳に使われているのが、いぐさということも知らないという方も多くなってきています。
でも、都会などでは特にそうだと思うのですが、無機質なお部屋の中に、
いぐさの作品を置くことによって、自然の恵みを感じていただけると思うのです。
ヨーロッパの人は特にそういう文化を素晴らしいと思ってくれるようです。
いぐさの商品は衰退してきているのですが、ヨガマットなどにしていくことで、
海外に出ていけるのでは?など、やっと外に目を向けるようになってきて、
いろんな角度から取り組みを始めています。
コロナの影響もありどうなるかなと思っていたのですが、逆に売り上げは上がっています。
ネットを通じれば世界にいける、これからが楽しみではないかと思っています。
また、今、畳の効能というのがいろいろ科学的にもわかってきて、例えば
畳でハイハイや歩いて育っている赤ちゃんとそうでない赤ちゃんとでは、
畳で育った赤ちゃんのほうが運動能力は高くなる、
畳の部屋で勉強したほうが学習効率はあがるなどの研究結果も出てきています。
こうやって畳、いぐさのよさをもっともっと広く伝えていくことで、
未来への可能性がでてくるのではないかと思っています。
そして、作品作り、和の心を伝え続けることにおいては、
やはり好きであるということが土台だと思います。
最後に諏訪さんの奥様からもお話をお聞きしました。
現在、私達の二人の子供が『スワモンショウ』で働いています。
最初うちで働きたい、と子供たちから聞いたときは
「先がどうなるかわからない業界だから・・・」と心配したのですが、
主人も私自身も斜陽産業といわれ、会社も厳しい経営状況の中から
一生懸命頑張ってここまで来たことを思い出し、応援することにしました。
今は、子供たちが商品の企画なども手掛けるようになっています。
これからは次の世代のサポートもしながら、
ぜひ、織物を通じて、日本の文化を伝えていけたらと思っています。
いぐさの厚ござ